1. 心肺停止(CPA:cardio pulmonary arrest)
【Minimum essence】
❶ ROSCするまでとにかくACLS!絶え間ない胸骨圧迫と早期除細動が何よりも大切!
【治療可能な原因: 6H6T】
① Hypo/HyperKalemia:低/高カリウム血症
② Hydrogen ion:アシドーシス
③ HypoGlycemia:低血糖
④ HypOxia:低酸素
⑤ HypoThermia:低体温
⑥ HypoVolemia:低循環
→「KAGOTV」と覚える!
① Thrombosis coronary:ACS
② Thrombosis pulmonary:肺塞栓
③ Tension pneumothorax:緊張性気胸
④ Tamponade:心タンポナーデ
⑤ Toxins:中毒
⑥ Trauma:外傷
【Approach】
● 2分毎にパルスチェック
⑴ Asys/PEA→CPR+アドレナリン1mg・4分毎
※ 原因検索(6H6T)が大事!
⑵ ①VF/pulselessVT→除細動→CPR(1サイクル)→②VF/pulselessVT→除細動→CPR(1サイクル)+アドレナリン1mg・4分毎→③VF/pulselessVT→除細動→CPR(1サイクル)+アミオダロン(難治性VF/VT)初回300mg、2回目以降150mg・4分毎
※ VF/pulselessVTの場合、心疾患(ACSなど)が原因のことが多い!→循環器内科コール
・二相性→120〜200J: 実際は150Jから始め、200Jにすることが多い
・単相性→360J
・アドレナリン1mgは生食20mLで後押しし、上肢挙上
・アミオダロンは5%ブドウ糖液20mLに溶かす
● 除細動のやり方
① リード、感度、誘導 OKです(3つの「ど」を確認し、隠れたVFを見つけ出す)
② パルスチェックします、離れてください
③ 波形VF、除細動必要です、心マ再開してください
④ 150J、ゼリーお願いします
⑤ 充電します、離れてください
⑥ 自分、周り、酸素離れています、最終波形はVFです、ショック実行します
※ 最終波形Asysです、内部放電お願いします
⑦ 即座にパドルを戻す、心マ再開してください(波形の確認は2分後!)
● リーダーの「かきくけこ」
か: 換気(胸郭、バッグの硬さ)
き: 胸骨圧迫(速さ、深さ、リコイル)
く: 薬
け: 原因検索
こ: 今度のジュール数、声を出す
● 原因検索の4つの「か」
か: 患者(身体診察)
か: 家族、関係者
か: カルテ
か: 簡単な検査(簡易血糖測定、血ガス、血液検査)
● 挿管の適応:MOVES
M:maintain airway / mental state:気道確保困難/意識状態不良
O:oxygenation:酸素化不良
V:ventilation:換気不良
E:expectoration:吐血や喀血、吐物
S:shock:ショック
● 挿管中に急に酸素化が悪くなったら:DOPE
D: displacement: 食道挿管
O: obstruction: 痰詰まり
P: pneumothorax: 気胸
E: equipment failure: 機械の異常
● 蘇生中止の判断: STOP
S: satisfaction of the family: 家族に十分な説明がされているか
T: treatability: 治療可能な原因はないか
O: OK? CPR: 心肺蘇生は適切に行われているか
P: persistent asystole: 10分以上asystoleが続いているか
● ROSCしたら
⑴ まず呼吸と脈を見る(PEAかもしれない!)→ROSCのコール
⑵ 初期ABCDEアセスメント→バイタルチェック
⑶ Bの治療(換気・酸素投与)
・過換気を避ける(BBMは容量が1500mLもある!1/3へこむ程度でよい)。人工呼吸器につないだら呼吸回数10/minから始め、PETCO2が35~40mmHgになるまで呼吸回数を漸増する。
・SpO2≧94%となるようにFIO2を調整する。
⑷ Cの治療(sBP<90mmHg)
a. 輸液1~2L bolus投与
b. 血管収縮薬の投与
① NA:0.1~0.5γ(通常は0.05〜0.3γ)
・1A(1mg/1mL)を5A+生食45mL→5mg/50mL
・0.1γより開始→体重50kgで3mL/hr
・血圧見ながら0.05γずつ増量、0.5γまで
② ドパミン:5~10γ
・1袋(600mg/200mL)を5γより開始→体重50kgで5mL/hr
③ アドレナリン:0.1~0.5γ
・1A(1mg/1mL)を5A+生食45mL→5mg/50mL
・0.1γより開始→体重50kgで3mL/hr
c. 12誘導心電図
⑸ Dの確認
・命令に従えない→目標体温管理(TTM): 32℃〜36℃まで下げる